完パスしなくても女性として生活できます〜性同一性障害・MTFの女性化は人それぞれ〜

女性らしさ・パス度

私が性別移行を始めてから6年ほど経ちました。経済的事情や思うところがあって、まだSRS(性別適合手術)は受けられていません。予定ではもうすでに戸籍も含めて女性として生活しているはずでしたが、現状(改名済み)で満足している自分がいます。※戸籍上の性別の変更には、性別適合手術が必要です。

私が現在どういう感じかというと、よく見られると元男性とわかってしまうけど、周囲の人や外出先などには女性として扱ってもらえている状況です。いわゆる「配慮パス」ですね。これをパスというのかは議論があると思います。しかし、「女性」といっても、いろいろな女性がいますよね。MTFもその中の一つなのではないでしょうか。

私は、絶対に元男性とバレないレベルの「完パス」とは程遠いです(なので、同じような境遇に置かれたMTFさんの気持ちは痛いほどよく分かります)。また、女性ホルモンは継続して使っていますが、始めてからもう6年近く経っているので、女性化のスピードは落ち着いてきています。

それで、私が戸籍上の性別をまだ変えていない理由は、戸籍上男性のままでも満足しているからです。仕事的には一応自営業で、性別はあまり関係ありませんし、私にはパートナー(夫と呼びたいけど、彼氏です)もいます。

困ることがあるとすれば、彼氏と結婚できないことでしょうか。お互いに理解しあっていますから、結婚できなくても仲良く暮らしています。同性カップルなどが困るとよく言われる、病院などで家族と認められないといったことに遭遇したことは今のところありません(私が住んでいる地域が先進的なのかもしれませんが)。あとは、相続の問題があるかと思いますが、私にも彼にもこれといった遺産はないので心配はしていません。そのほかに困る場面がないかといわれると、確かにありますが、今のところは我慢できています。

多分、私には元男性であるという「甘え」があるんだと思います。戸籍上も女性になってしまったら、完全に女性として振舞わなくてはならなそうで怖いのです。例えば、私の場合見た目で元男性だとわかってしまうことが多いです。そこで性別が男性になっていれば、私が元男性であるということの説明が不要ですよね。

今すぐにでも完全に女性になりたい、正統派の性同一性障害MTFさんや、完パス至上主義の人からすると、ものすごくわがままなことを言っていると思われるでしょう。批判があるのも承知です。また、その人の生活環境(仕事など)によっては戸籍上の性別を女性に変更しなくてはならない場合もあるでしょう。「あんた何を言っているの、あたしは名前・外性器・戸籍上の性別、すべてにわたって”男性”であることが許せない」という声も理解できます。

しかし、性別移行や女性化は、人それぞれだと強く思っています。ある人は戸籍上の性別まで完全に変更しないと気が済まないかもしれませんし、女性ホルモン療法だけで満足する人、女性の服装で生活するだけで安心する人など、いろんな人がいていいと思います。

完全に女性として見られるよう努力を重ねている人は尊敬しますが、完全に女性になろうとするのはとても息苦しいのではないでしょうか。残念ながら元男性として生まれて来てしまった以上、こえられない壁はあります。それでも、ホルモン療法や手術など身体的治療やしぐさや話し方など女性らしさを磨くことで、周囲の人から女性として扱ってもらえる場面は増えていきます。女性として生活するのに「完パス」は必要ないと思います。

今、性別移行をしようか迷っている方や女性として生活しはじめたばかりの方に、この記事を通して伝えたいことは、どこまで女性化するかは人それぞれでいいということです。他人と比べる必要はありません。昨日の自分より今日の自分と、少しずつ女性らしくなっていきましょう。

女性として生活し始めて6年で、経験・知識ともまだまだな私が偉そうなことをいってすみません。

新型コロナウイルスが流行っていますし、食中毒の季節です。お体に十分お気をつけください。

さくら

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