今この記事を読んでいるのは「女の子になりたい」と思った方か、相談されたかたでしょう。男性が女性になりたいと思うのは、性同一性障害なのでしょうか。この記事では、男性が女性になりたいと思う理由と性同一性障害の要件について紹介しています。

男性が、女性になりたいという場合、いくつかの理由があります。幼い子どもや成長期の一時的な気の迷いで、「女性になりたい」あるいは「自分は女性である」と感じることはよくあります。

また、近年、文化や服装の「中性化」の流れから、以前なら「女性的なこと」とされていたことに男性が参加したり、かわいいものを男性が持ったりすることも増えています。そんななか、インターネットを中心に、男性でありながら女性の恰好をする「男の娘(おとこのこ)」が流行したり、女装を趣味とする「女装子」がブログで自らの写真を公開していたりと、ジェンダーにとらわれない人も増えてきたように思います。

彼らの多くは、心は男性でありながら、女性の恰好をしている人です。中には、本当は性別を変更したいけど、周囲の目や社会的な立場から決断できず、趣味として隠れて女装している人もいます。しかし、ほとんどの人は男性でありながら、女性の恰好を一つのファッションとして楽しんでいます。

女装子や男の娘が増えたことは、一面では、「男性(的なこと)が優れていて女性(的なこと)が劣っている」という、これまでの固定観念が薄まりつつあるといえ、いいことだと思います。しかし、その延長として、女性ホルモンを使ったり、体にメスを入れたりするのは行き過ぎだと思います。

このように、女性になりたいといってもさまざまなケースが考えられます。ある人が「女性になりたい」といったからと言って、性同一性障害とは限りません。

性同一性障害であるかどうか、つまり治療対象であるかは、「心の性別と体の性別のズレ」があり「そのことに悩んで精神的な障害となったり、社会生活を送るうえで支障がある」ことが大切な要件です。

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女性になりたいのは何のため?

まず、女性になりたいと言われたら、どうしてそう思うのか聞いてみてください。「幼いころから、自分を女性だと思っているから」や「男性的なことが自分には向かないから」とかいろいろあると思います。人によっては、「男性より女性のほうが楽だから」や「女性のように、ファッションを楽しみたいから」といった理由もあるでしょう。

自分は女性だと信じている

「自分のことを女性だと思っている(幼いころ思っていた)」「男性の体をもち、男性として生活するのがつらい」と答える人は、かなり性同一性障害の確立が高いです。特に、性別のズレで思い悩むあまり抑うつな気分が続くなど、生活に支障が出ている場合は、専門医の受診をおすすめします。

男性の役割や義務の拒否or女性のほうが楽しいから

一方で、「女性のほうが楽」や「女性のようにファッションなどを楽しみたい」といった理由の場合には、ただ単に男性としての義務を果たすのを拒否している可能性があります。女性には女性ならではの大変なことがありますし、いいことばかりではないということも知っておきましょう。

生まれながらの体の性別(セクシャリティ)は自分では選べません。しかし、ほとんどの人が自分の生まれた性別(セクシャリティ/体の性別)に何の疑いを持たずに、成長の過程でセクシャリティにあったジェンダー(文化的な性別)を獲得して、生活しています。

このようなことから、ただ単に「女性のほうが楽だから」とか「女性的なことがしたいから」といった理由で、女性になるのはおすすめしません。男性として生きることにもいい面はたくさんあります。また、男性のままでも、女性的なものごとに親しむことは可能です。

こうかくとまるで、性同一性障害当事者の性別移行を否定しているような印象を与えるかもしれません。しかし、性同一性障害(MtF)の人は、「心は女性なのに体が男性であること」に悩んでいます。つまり、彼女らの性別は「女性」なのですから、女性として生きるために、体の性別を合わせるのは当然なことであるといえ、ただ単に「男性としての義務から逃れるため」とは言えないと思います。

「男だけど、女になりたい」のか「女(心の性が女)だから、女の体になりたい」のか、しっかりわけて考える必要があると思います。

男性に好かれたいから

心(性自認)はどっち

ここまで上げてきた、理由のほかにも「女の見た目になれば、男性から恋愛対象としてみられるから」という動機も考えられるでしょう。この場合も、心の性別が男性であるか女性であるかが大切です。つまり、「(心が)女性だから、男性に好かれたい」のか「(心は)男性だけど、男性に好かれたいのか」は区別する必要があります。

心が女性なら、性同一性障害かも

前者の場合は、性同一性障害かもしれません。しかし、これだけでは、疾病名・診断名としての性同一性障害とは言えないでしょう。なぜなら、性自認(自分が信じている性)と性的指向(恋愛対象となる性別)は別の概念だからです。男性に好かれたいだけでは、性的指向にしか言及していないため、性自認が問題になる性同一性障害とは言い切れないのです。

「男性として男性に愛されたい」同性愛かも? 性同一性障害と同性愛は別です

一方で、後者の場合、「心は男性だけど、男性として、男性に好かれたい」という場合は、同性愛かもしれません。同性愛と性同一性障害は、別の概念です。同性愛(ゲイ)の人が、男性の気を引くために女装をしたり、女性的な話し方やしぐさをしたりすることがありますが、自分を男性であるということを受け入れいていて(性自認が男)、自分の体に苦痛を覚えていないという点で、性同一性障害とはいえません。

 

まとめ

ここまで、「男性が女性になりたい」というケースを、性同一性障害であるかどうか、考えてきました。

男性が女性になりたいといった場合、すべてが性同一性障害といえるわけではありません。「心が女性であるか、あるいは男性であるか」(性自認)をはっきりさせたうえで、日常生活に何らかの影響が出ていれば、性同一性障害かもしれないといえるでしょう。

性同一性障害かもしれないと思ったら、性同一性障害(性別違和)にくわしいジェンダークリニックなどで相談することをおすすめします。

おまけ:自分の体を変えるのに許可はいりませんが・・・

ところで、自分の体を変えるのに、他者の許可はいりません。先ほど、女装趣味や男の娘文化の延長で、女性ホルモンや手術など身体的な治療を行うのはやめたほうがいいと書きました。確かに、美容整形手術と同じで、男性が自分の体を女性の体に近づけるのは個人の自由です。しかし、それは、他人に迷惑をかけなければということです。

例えば、女装や「男の娘」の延長で女性化したからと言って、女子トイレを使ってはいけません。女装趣味の人などがたまにブログで、女子トイレ使いましたとか書いていますが、犯罪です。趣味での趣味での女装や男の娘は、自分が男性であると思っているわけですから、男性なのです。男性同性愛者(ゲイ)が、女子トイレに入っていけない理由と同じです。

趣味で女性化したい人は、見た目に応じて、男性に見えるなら男子トイレを、女性に見えるレベルなら多目的トイレを使うなどしましょう。

 

 

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