性同一性障害(MTF)の方が、女性として生活するには、どうしても家族や周りの人の協力が必要です。この記事では、受け入れてもらえやすい、性同一性障害のカミングアウトの仕方を紹介します。
カミングアウトの方法
- 信頼できる身近な人に相談してみる
- 精神科で診断書をもらってから相談する
- ある程度女らしくなってから相談
1.信頼できる身近な人に相談してみる
女性として生活しようと思っても、最初はいろいろわからないし、周りの人に相談なしで女性化するのは難しいですよね。そこで、信頼できる友人や家族などに相談してみることをおすすめします。
相談する相手の選び方ですが、友人でしたら親友。口の堅そうな人がいいです。できたら女性なら◎(なお良い)!! 女性化やほかの人へのカミングアウトに協力してくれそうな人をさがしましょう。
家族に相談するとしたら、仲の良い兄弟や母親にしておきましょう。性同一性障害に限らずLGBT※全てにいえることですが、カミングアウトのラストボスは父親です。特に保守的な考え方をする方の場合、なかなか認めてくれないことが多いので、注意が必要です。
はじめにカミングアウトする人を選ぶ基準
- 口の堅い人
- 普段から気心の知れている人
- 信頼できる人
- 家族(母親や仲のいい兄弟(姉妹)がいいです)
- 幅広い視野を持っている人 (海外経験のある人など、異文化に対する理解がある)
- BL(ボーイズラブ)などオタク系の趣味を持っている人
- そっち系の人。。。(オネエ系の方とか)
「女として生きたいんだよね。」「性同一性障害かもしれない」と言えば、理解のある人なら、相談に乗ってくれます。そのうえで、ジェンダークリニックや性同一性障害にくわしい精神科の受診を進めてくれるかもしれません。
2.性同一性障害の診断書をもらってから相談
ジェンダークリニックや性同一性障害にくわしい精神科などで、数回の診察・カウンセリングをして、性同一性障害と診断されると、診断書を書いてもらえます。職場や学校などオフィシャルな場所でカミングアウトする場合や、頭のかたい(失礼!)両親などにカミングアウトする場合はある程度有効です。
なぜなら、「女性として生活したい!」といっても、趣味や冗談と受け止められることがあるからです。診断書があれば、受け入れてもらえやすくなります。
また、職場や学校でカミングアウトする場合は、診断書があれば配慮してもらえる確率が高いです。2016年4月、障害者差別解消法が施行されました。性同一性障害も、この対象です(同法の「障害」の定義は一般的に考えられている障害とは異なり、社会的に生活するうえで障壁が場合は「障害」にあたります)。同法では、障がいを抱える人が社会で活躍できるよう、合理的配慮をすることが義務化(国や地方自治体は義務・民間事業者は努力義務)されています。性同一性障害が理由で困っていることを伝えれば、ある程度配慮してもらえる可能性があるでしょう。
小中高校では、文部科学省から性同一性障害を抱える児童生徒に対する配慮をするよう通達が出ていますので、診断書があればほぼ100%何らかの配慮をしてもらえます。信頼できる先生や相談室のカウンセラーなどに相談してみましょう。
性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について [文部科学省サイト]
3.ある程度女らしくなってから相談する
ニューハーフさんに多いカミングアウトの仕方です。経済的に自立していて、ある程度見た目の変化があっても大丈夫な職種の方にお勧めの方法です。
「親元を離れ、上京して、戻ってきたら女になっていた」というストーリーはよくありますよね?
(ないかもw)
見た目が女性であれば、カミングアウトされたら受け入れざるを得ないです。両親に事後カミングアウトするとなると、心が痛むかもしれませんが、体をいじる前にカミングアウトしてもそれなりの衝撃はありますので、絶対に女性として生きる意思のあるかたはこの方法でもいいと思います。
精神科やジェンダークリニックでホルモン療法(女性ホルモン)の許可をもらうには、家族や周囲の人にカミングアウトしていることも一つの条件になっています。したがって、この方法を選択する場合、ホルモンは自己管理で摂取する場合は多いです。
美容外科や繁華街の内科・泌尿器科・産婦人科で相談してみてください。
体をいじる覚悟がない場合は女装だけでもしてみましょう
その際遊びでやっているのではなく、本気であることが伝わるような恰好をするといいです。
管理人の失敗例 いきなり大々的にするのは△(やめましょう!)
私は、カミングアウトする際、大学の部活のミーティングで、全体の前でカミングアウトしました。そのあと、空気が重くなったのを覚えています。それまで男性として生活していましたから、びっくりした人も多かったと思います。
性同一性障害のカミングアウトは、結構なインパクトがありますので、いきなり大勢の人にカミングアウトすると、空気を壊してしまったり、変な誤解をされることが多いです。
カミングアウトするときは、一対一で!!
カミングアウトは全体の前でするのではなく、一対一でしたほうがいいです。先ほど書いたように、大勢の人に同時にカミングアウトすると、どうしても説明しきれないことが多く、変な誤解を生みやすいです。
また、その人だからこそ相談したという形にすれば、親身になってくれる人が多いという点でも、一対一のカミングアウトをおすすめします。
カミングアウトの際伝えること
- 自分の心(性自認)は女性であること
- これからは女性として生活したいとうこと
- 性同一性障害についての簡単な説明
遊びではなく、真剣に悩んでいることが伝わるようにしましょう!
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