MTF(性同一性障害やニューハーフなど、元男性で女性になった人)は、生まれてからかなりの年数を男性として過ごすために、男性的な考え方が身についてしまっていることがあります。まだまだ、現代の日本社会では、「男は男らしく」「女は女らしく」という伝統的な価値観が優勢です。そのため、MTFの多くの人は、生まれた体が男である以上「男らしく」することを両親や学校、周囲の人から要求されながら育ってきました。
男性と女性の考え方・生き方の違い
今日では、共働き世帯が増えるなど、家族形態やライフスタイルが多様化していますが、いまだに「男は外で仕事」「女は家で子育て」といった性別役割分業の考え方が根付いています。
伝統的な「男らしさ」は、「強くなくてはならない」「他者と競争して優位に立たなくてはならない」「経済的な基盤を確立して、妻子を養わなくてはならない」といったことがあげられます。そのため男性は、ほかの人より体力や知力、あらゆるめんで勝ろうとします。
それに対して、女性は「女性らしく」生きるように周りから言われて育ちます。女性らしさとは、「やさしさ」や「他者に対する気配り」「美しさ」といったことで、主に受け身的な感じです。女性は、他者と競争して優位に立つよりも、仲間といかに仲良くするかや、いかにして男性に選ばれるか、そのためにはどう美しくなるかを考えています。
はじめは、型どおりの「女性」を目指そう!
特に女性は、男性と争おうとはしないものです。中には男性並みに働く、キャリア志向の女性もいますが、MTFはまずは伝統的な女性らしさを実践する女性を目指したほうがいいと思います。
昔から芸事や武道の世界では「守・破・離」という修練の段階がありました。簡単に言うと、「初めからいきなりオリジナルを追求するのではなく、最初は型を守り、ある程度身に着いたら自分なりに変えていく」ということです。
MTFも初めは型どおりの女性になることを目指し、ある程度女性らしくなってきたら、キャリア志向でも、奇抜なファッションでも自分の色をだしていけばいいでしょう。
女性文化は「察し」の文化
女性は、周りの人々(特に友達などの集団)との協調性を大切にします。例えば、ファッションや持ち物についても、集団の中で一人だけ浮かないように気を配っています。独創的であることがいいこととされる男性とは正反対ですね。それだけでなく、好きなものや嫌いなものも、タテマエは周りの人と合わせようとします。女性は、周囲の人と合わせるために、本音とタテマエを使い分けている人が少なくありません。
また、女性は相手の表情や言葉の微妙なニュアンス・イントネーションなど、非言語コミュニケーションのシグナルを男性以上に敏感に読み取ります。グループで会話していて、なんとなく一人の表情がうかばない様子だったら気を使ったり、もうすぐ帰りたいというシグナルを察したりします。
このように察しの文化があるので、女性は、相手にも自分のこと(気持ち)を察してもらって当然と考えています。そして、自分の気持ちを直接口にしないで、察してもらうのを待ちがちな人も多いです。
特に、女子中学生や女子高校生など若い女子は、自分たちと同じかどうかをとても大切にします。そして、仲間と他集団を区別しますよね。大人になるとある程度は、個人を大切にするようになりますが、それでも協調性や他者の気持ちを察することは忘れません。
周囲の人に同調したり、相手の気持ちや「空気」を察する力。パス度をあげるためにも、ぜひ身につけたいですね。。
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